第292話ロックさんに伝えます

クロエはすぐさま襟元に視線を落とした。染みを見つけるなり、きつく眉をひそめ、足早に自分のデスクへ戻っていった。

セレナの唇が冷たい弧を描く。――確定。昨夜、自分を狙った連中のひとりは、間違いなくクロエだ。

そして勘が当たっているなら、もうひとりはおそらくソフィー。

案の定、十分もしないうちにソフィーが入ってきた。

ソフィーは賢い。セレナと目を合わせようとしない。だが視線の端で、セレナのデスクを盗み見た。セレナが何事もなかったかのように座っているのを目にした瞬間、驚きと落胆が顔をよぎる。

そしてセレナに一切かかわらないまま、さっと自分の席へ向かった。

座るやいなや、スマホを取り出して...

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